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うどんの食べ方~一から十まで~

 その通りには少なくとも4軒のうどん屋があった。僕はその4軒すべてに立ち寄ったことがある。どこが一番とは言えないが、今日行ったうどん屋が一番であることも否定できない。
 入口を入るとすぐに券売機がある。僕はボタンに書かれたメニューから、それがどういうものかを想像するのだ。見た目を想像し、匂いを想像する。そして想像上で味わって、もう食べる前からその味を知り尽くしてしまうのだ。目を閉じ、静かに味を想像していると、後から客が来た。僕は慌てて、メニューを決めきれないまま「天ぷら」と「ミニ丼」と書かれたボタンを押す。もっとじっくりと決めたいところだ。いや、おそらくそれ以上想像すると店の入り口で満腹になって引き換えし、店主を激怒させることになっただろう。
 平日の18時頃ということで、店内はまだ空いていた。空いている席に座った。両隣は空席だったが、まもなく左隣りにファミリーが座った。小さな女の子が二人と母親とおばあちゃんと思われる女性たちだ。
 うどんが運ばれてきた。大きな器に黄金色の汁、透明感がありコシのある麺、別に添えられた天ぷらの盛り付け、天ぷらにつけるその辺のスーパーでは手に入らないかもれいない塩、見るからに美味そうだ。美味そうだと思った時にはもう既に食べていて、美味いと思っているのだった。だから実際には「美味そう」などと思っている隙などなかった。それは美味いのだった。

 僕の隣には2歳くらいの女の子。その女の子がずっとこちらを覗っているのだ。妻によると食べ始めてから、食べ終えるまでの間、一時も目を離さず、「一から十まで」僕の食べる姿を凝視していたらしい。僕はずっと左側に視線を感じており、できるだけそちらに顔を向けないように窓の外などを眺めながら食べていた。気になりだすと食べた気がしなかった。気になりだすと味がわからなかった。味がわからなかったが、それは確かに美味かった(なんでだよ)。僕がよほど風変りな食べ方をしていたのだろうか。好奇心旺盛な2才児には、僕の容姿あるいは食べ方が気になって仕方なかったのだろう。僕のうどんの食べ方から、彼女は何かを学び取っただろうか。かつて僕が子供だった時分、他人のものの食べ方に興味を抱いて観察し、ただ一言「ウケる」と訳のわからない感想を残したように。彼女は何を感じ取っただろうか。彼女の感受性は一体何を。

 僕は見習おうと思う。彼女の観察の仕方を。最初から最後までもれなく観察する。その観察の仕方、そして感受性を見習わなければ。観察力、それを鍛えたら、コンビニに入店してきた男性客が一体何の目的で入店したのかを始めの一歩で予測し、的中させるほどになる。動作の一歩で行動を予測し、顔を見ただけでそいつがどういう人間なのかを理解する。僕が見習うべきは、純真無垢な好奇心の塊なのかもしれない。
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