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ディソーダ―

 朝から精神力ゲージが限りなく0に近い1ドットのまま通勤電車に乗った。電車内に一時的に排泄物のようなニオイが立ち込めた。やりきれなくなった。全力で叫びたかったが、見えている風景が色彩を失っていった。呼吸が苦しくて、手足がしびれてきた。ああ、まずいと思い、呼吸を一定のリズムで意識的に刻んだ。頭がふわーッとした。すぐに目を閉じて視覚を潰し、余分な力を使わないようにして、ただ呼吸のリズムを整えることだけを考えた。
 電車を降りて、無気力で血色のない無脊椎動物的な感覚で職場までの約10分間の道のりを歩んだ。無脊椎動物的とは一体どういう感覚だよ、という当たり前の問いを発せず、あなたはただ今日の僕の無気力、そして無関心な徒歩を想像してみて下さい。それは単なる週の始めの憂鬱な通勤となんら変わりないものと感じるかもしれない。でも、違うのだ。月曜日のくそったれな鬱的なものよりもさらに世界を真っ白に変えてしまうほど、僕は元気がない。昨日も一昨日もその前もその前も僕は元気がない。原因はよくわからない。何もしてなくても気分が落ち込むのだ。
 駅を出ると高校生たちが列を成して、彼らの学校がある方向へと、早朝の沈黙のさなか、まるで無考えにその青春を当然のものと思っている風に歩んでゆくのだ。その当然の青春はいつしか当たり前に過ぎ去ってゆくのだ。彼らの黒い頭のうち、幾人かは十数年後にはもう一部分的に肌色になって、脂ぎっているだろう。さらに幾人かの表情は変質者的になり、ガラス窓に映る自分の表情に嫌悪するだろう。ガラス窓や鏡から視線を逸らすものの、その変質者的な表情は印象的で、自分自身の顔面にも拘わらずショックを受け、脳裏に焼き付けられ、思わず目を閉じても暗闇に浮かび上がるだろう。俺はいつの間にか最も嫌悪する存在になってしまった!あの青春の胸を焦がすほどの輝きは失われてしまったのだ!これは俺が最も恐れていた喪失体験ではないだろうか!彼はいつ自分が自分の意図しない方向へと転がってしまったのか呆然として後ろを振り返るだろう。い、いつ?

 仕事など手に付かなかった。僕は気持ちの悪い作り笑いで誤魔化して帰って来た。ああ、もう嫌だ。僕はまた通いなれたはずの職場で挙動不審になっているのだ。うろうろと歩き回るのだが、一体何の目的で歩き回っていたのか思い出せない。冷房も効いていないリビングで次第に汗を滲ませた。体から嫌な匂いが立ち上ってくるのを感じ、じりじりとしていた。額から毛髪の薄くなった部分にかけてが余計に脂ぎってくるのを感じた。額の汗や脂を拭っていると、職場の優しい女性スタッフが「暑いですね」と声を掛けてくれたが、僕はまた痴漢のような不審な笑みを浮かべ、「そうですね」と気色の悪い返事をした。一刻も早く引きこもらなければ、人々の視線や、社会的な空気が、恐ろしく強力な紫外線や猛毒の黒カビのように襲ってきて、1分と持たずに死んで白骨化してしまいそうだった。



 僕はただ、こういう風にリラックスして空を見上げたいのだ・・・
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