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何も決められない

 靴下の選別をしていた。穴の空いたようなボロボロの赤い靴下や、ある日から片方しか見かけなくなった靴下、もう絶対(100%)履かない靴下などを捨てることにした。というのも昨日靴下を3足買って来たからだ。新しいものを買ったら、古いものを捨てる。整理整頓の鉄則だ(僕が決めたんだ)。それにしてもなぜ片方しかない靴下を大切にとっておいたのだろう。

 晴れていた。風が吹いていた。風に吹かれて、洗濯物を干した。干した洗濯物が端から風に揺さぶられた。どこかから生乾きのニオイが漂ってきた。洗濯物のニオイを嗅いだが、生乾きのニオイはしなかった。そもそも洗ったばかりだし、乾き始めてもいないのだから、生乾きのニオイなどするはずがない。僕がクサいのかもしれなかった。でも、自分自身のニオイが感じられるだろうか?もし自分で自分がクサいと思ったら、改善する努力をするだろう(妻におっさんのニオイがする、クサいと言われるが改善できていない・・・)。だから、おそらく僕の嗅ぎ取ったニオイは自分のものではないはずだった。僕は時折感じられる生乾きのニオイを諦めた。掛け布団にコロコロを掛けて猫の毛をとり、「人生諦めが肝心だ」と独り考えながらベランダに干した。それにしても人生諦め過ぎている。

 午前11時までには洗濯、掃除、洗い物、猫のトイレ掃除すべてを済ませて家を出るつもりでいた。でも、僕は自分のダラダラとした考えや行動を治し切れずに、とうとう11時を回ってしまっていた(30歳を過ぎてしまった)。おまけに姿見を覗き込んで「この服装は変な人に見えないだろうか、いや、そもそも顔がダメだ」などと洋服も決めきれずにいる始末だ。僕はこの洋服選びで何度も外出を断念したことがある。どうしても自分が変な人にしか見えないのだ。こういう時に妻がいると「変じゃないかな?」と聞くことができる。妻は「変じゃないよ」と大方そう答えてくれるからありがたいのだが、時々「ダサい」とも言う。妻には本当に感謝しているのだ。しかし、これではまるで僕が何もできない人みたいではないか。

「何もできない人というか、まあそうなんですけど」

 一人暮らしの時は鏡で服装を確認して「これは変な人だ」と思い、脂汗を滲ませながら何時間も洋服選びをした挙句(そんなに時間がかかるほど服は持っていないのに)、ついには決めきれずに外出できないことが多々あった。近くのコンビニに行くだけなのに僕は諦めた。何も決められないまま、日が沈む。日暮れというのは切なかった。「この服もダメ、これもダメ、そもそも顔がダメ」と言っているうちに、1分また1分と経過し、30分となり、1時間となる。秒針の進む音が虚しく響き、僕は焦燥感に駆られ、嫌な汗をかく。夕日が沈み始めて、頭を抱える。混乱して僕はとても狭い部屋の中をぐるぐると歩き回った。部屋の中を歩き回る描写をドストエフスキーの小説で何度も読んだ気がするが、そういうことだったのか(どういうことだよ)?今なら「オォウ!メェァアン!!!」と叫ぶかもしれない。

 結局、昨日と同じ服装で外出することにした。昨日着た服なんだ、そこまでおかしくはないだろう、という安易な考え方だったが、精神的にはそこに落ち着くことができた。数年前に買ったCOACHのショルダーバッグを肩にかけ、梅雨の時期が過ぎたら処分しようと思っているボロボロのスニーカーを履いた。普段メガネなどかけていないが、顔の印象が薄いのでメガネをかけた。頭皮が寂しかったが、どう頑張っても毛は生えて来なかった。
 正午前、僕はようやく近所のドラッグストアにキャットフードを買いに出かけた。
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