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電車で席を譲る人。株を上げる人、下げる人。

 なんというか、その・・・仕事で疲れてしまって、最近は全く気力がなく、家にいるといつも家事だけをして過ごしている。職場では一生懸命働いて、上司や周囲の人たちから信頼を得て、株が上がることはあるかもしれないが、家庭内での株が暴落とまでは行かずとも、下落し続けている傾向が見受けられる。そろそろ妻にいいところを見せて、惚れ直させてやりたいところだが、なかなかそうはいかない。最近はいつも「クサい」と言われ続けているし、仕事から帰って来ると床に倒れるので、邪魔者扱いされる。臭くて、床に落ちているものなんだ?というクイズがあったら、妻は間違いなく「夫」または「主人」もしくは「旦那」などと回答するに違いない。どんなニオイがするのかと尋ねると、昨日あたりは「もんわりクサい」と言われた。その判然としない答えに僕はもんわりと悩んだ。

 株を上げるとか、下げるとかいう話で思い出したことがある。妻と電車で出かけた時のことだ。優先席に若い男が二人座っていた。外見を語ると、一人は大きなサングラスをかけたチャラチャラした感じの男で、もう一人は清潔感のある青年だった(妻の話によると)。この二人の若者は知り合いではない。たまたま優先席に肩を並べるように座っていたそうだ。そこに一人のおばあさんがやってきた。すると一人の若者が立ち上がった。

「どうぞ」とその若者は席を譲った。その若者はチャラ男だった。

 それを見ていた妻の脳内におけるチャラ男と好青年の株価に変動が起こった。チャラ男の株価が高騰し、見た目好青年の若者の株価が暴落したのだった。見た目好青年の若者は、居眠りを決め込んでいたらしい。それが寝たふりなのかは判明しない。猜疑心の強い人間だったら、おそらく寝たふりだと決め付けて、その青年が下車する駅まで目を離さず、車内アナウンスに対するリアクションを注意深く観察することだろう(そんな暇な人間はいないと思うが)。とにかく、社会的評価が格段に下がった好青年は、もはや好青年ではなく、不親切な印象を与えただけの青年になってしまった。

 どんなに信頼を得ていても、言動一つで信頼は失われかねない。好青年らしき不親切な青年は不運にも失墜してしまった。彼の罪は若さだった。若い故に罪があった。たとえおばあさんであっても、席を譲ることさえできないほどに体調が悪かったとしたら、妻の内的な評価は単なる誤解と言えたのではないだろうか?こういう考え方もできる、そもそも健康なチャラ男が優先席に堂々と座ること自体が誤ったことであり、席を譲るのは当然であった。そして、本当に具合の悪かった青年が社会的に失墜してしまったとしたら、それこそ不運としか言いようがないではないか。彼に罪があるとしたら、先にも述べたように、若いことだった。若い故に健康と思われても仕方がない。健康だから、足腰の弱った老人や妊婦などに席を譲らなかったとなると、周囲からは軽蔑の目で見られてしまう。誰も内容なんて覗っていなかったとしたら、それこそ当てずっぽうではないか。

 と、こういう変な考え方なしに、やはり単純に優先席というものが設けられている以上、お年寄りや妊婦さん、ハンディキャップを負った人はそれを利用すべきだし、それを必要と感じている人がいるのだから、元気がある人は席を譲るのは当然だ。そして、もし譲ってもらったならば、素直にお礼を言って、座るべきだ。
 たまに「わしは譲ってもらうほど老いてはいないわい!」と怒る人がいるようだ。そういう人がいるから、席を譲りたくても勇気を出せない人がいて、寝たふりをしたりするのだ。だから、譲ってもらった人は素直に感謝すべきだ。

 僕は譲ってもらったことはないが、こう見えて席を譲ったことは幾度かある。仕事終わりの電車で、座席がすべて埋まっていた。僕も座っていた(優先席ではない)。疲れていたから座りたいと思うのは当然だ。その車内に、一人だけ立っていたおじさんがいた。不思議なことに全席埋まった状態で、立っているのはそのおじさんたった一人で、他に立っている乗客は一人もいなかった。僕は本を読んでいたが、ふとおじさんに気付いた。おじさんはつり革を掴んで、ふらついていた。
 ここで色々勘ぐって、席を譲れなくなった人は多いと思う。ただの酔っ払いで、からまれたら損だとか、「わしは若い!」と怒られたら嫌だとか。
 実は僕はその時とてもドキドキしていて、心臓が爆発しそうだった。心拍数がかなり上昇していたと思う。自分の心臓の音が体中に響いていて、吐き気がし出した。なぜ、そこまでドキドキしていたかと言うと、僕はそのおじさんに席を譲るつもりだったからだ。そして、周りを見た。他に譲ってくれる人がいたら、その人に任せようとセコイ気持ちになっていたからだ。おじさんはこちらに背を向けていたし、向いの座席の人たちは一列全員おじさんと向かい合っていた訳だから、向いの席の人たちの誰かが譲ればいいという卑怯な考え方もしていた。
 けれども、驚くべきことに、その車両の僕と対面する席一列全員が睡眠をとっていたのだ。そのうち何割が本当の睡眠で、残りが寝たふりなのかはもちろん判別できない。ただ、怖かったことだけは確かだ。結局、顔を真っ赤にしながら、僕が席を譲った。僕は気弱な人間だから、周りにどう思われるだとか、色々気にして臆病になってしまうから、すんなりと人に席を譲ったりはできないのだ。
 結果的に、そのおじさんにはとても感謝された。おじさんが電車を降りるとき、改めて僕の前に来て、「ありがとうございました」と深くお辞儀をする姿が印象的だった。
 けれども、おじさんが怒っていたら・・・・その場でリアルファイトになって、若い僕がおじさんを突き飛ばしでもしてしまったら、僕の株は暴落どころか、パクられてしまったことだろう。結局、席なんて譲らない方がいい、譲りたいやつが譲ればいいと思っちまう気持ちはわからなくもないのだ。

 僕にとってはとても勇気のいる席を譲るという行動だが、チャラ男はいとも簡単にそれを実行するという点において、やはり僕の中でもチャラ男の社会的評価は格段に上がったと思う。だからといって、僕としては、外見上の好青年の株は下落したとは言い難い。なぜなら、青年も同じように席を譲りたかったかもしれないからだ。寝たふりをしながら、とても悩んでいたのかもしれない。席を譲ろうか、どうしようか。そうやって悩んでいるうちにチャラ男がさらっと席を譲ったのだ。

 ところで今日は中秋の名月というやつらしい。お菓子屋さんで和菓子を買ってきて、部屋の窓から外を見たけれども、残念ながら、月は反対側を浮遊しているらしく、見えなかった。僕の気持ちは浮遊している。あの横柄な地方公務員の顔面でもいい。いや、よく考えたら嫌だが、できればちょうどいい文鎮代わりになるものを叩きつけて、浮遊した心を抑え付け、自分と向き合いたいとさえ思うのだった。
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