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軽い気持ちで天拝山 後篇

 「命を大切に」等書かれた看板、周囲に街と呼ばれるものは見当たらない。森林、舗装道路と山口調整池、後ろを振り返ると丘。丘の上の飛行艇のアスレチック。そこは筑紫野市総合公園と呼ばれる場所だった。子供を連れたファミリーが多く訪れそうな場所だった、平日だから人は少なかったが。そこに一人の登山客が、入口付近でウロウロしていた。平日の真昼間に30歳の登山客が迷子になったかのように、ウロウロしている。明らかに場違いな気がした。そんな気がし出して、間もなく「こんにちは!」と声が聴こえた。振り返ると、公園の管理棟から、おじさんが現れた。

おじさん「天拝山を越えてきたの?」

僕「あ、はい。えっと、この近くにバス停ってありますか?」

おじさん「近くにバス停があったな。なんてバス停だったかな。そうそう、天拝湖入口。えーと確か1時間に一本しか出てないんだよな。次のバスは12時53分か」

僕「どこまで行きますか?」

おじさん「二日市駅だよ。JR?西鉄?どっちがいい?」

僕「どっちでも構いません」

おじさん「二日市から来たの?」

僕「はい」

おじさん「そうか。JR二日市駅で下車して来たのか」

僕「・・・」

おじさん「バスはイオンモール経由だから、大体25分くらいで到着するかなあ。でも、乗って行くより、また天拝山に上って戻った方が早いんじゃないかな。大体1時間半くらいだったでしょ?」

僕「あ、ええ、1時間半くらいで、ここに来ました。そうですね、戻った方がいいですよね(疲れたなあ・・・)。あの、ここは公園ですか?」

おじさん「そうだよ」

僕「入ってもいいですか」

おじさん「・・・いいよ」

 おじさんは僕を観察して、こう思ったはずだ。「登山客にしては何も知らないな・・・。この人は何も調べずに山に登っているのか。危ないな・・・。いや、この人の目的は登山ではなく、何か別にありそうな気がするぞ。怪しい・・・」

 僕は公園に入り、休憩した。水道で顔を洗った。とてもしょっぱかった。ベンチに腰掛け、元来た道を戻るか、バス停まで行くかを思案した。あの道を引き返すことを考えたら、なんだか気が遠くなった。バスに乗るのは簡単そうだった。バス停に行ってみようかな、と思い、歩き出した。

 そして、僕は登山道入り口に立っていた。元来た道を戻ることを、考えるよりも先に、肉体が選んでいた。バスで帰ったら、温泉を経由せずに家に帰ることになってしまう、という理由を後付した。

 1時間半か・・・確かにそのくらいは覚悟しないといけない。そこで「しまったー」と思った。出てくる時、すぐ戻ってくると思って、天ちゃんのご飯を少な目にして置いて来たのだった。遅くても2時間で戻る予定のところを、山の反対側にいる時点で、すでに2時間経過している。そこにさらに2時間。天ちゃんはお腹ペコペコだろう。

 とはいえ、自分の足だ。やはり早くはない。それでもあまり休まずに引き返すことにした。

hyoshiki004.jpg

 1600mか。天拝山までが・・・。まあ仕方ない。牛頸山の山頂は近い気がしたけれど、また今度。

takebayashi003.jpg

 途中にある竹林。落ち葉は笹だから、踏み心地が軽い感じで、気持ちいい。風に揺れる竹が隣人にぶつかって、「パキ、メキ、ドゴォオオオオ」と悲鳴を上げると、僕はビクビクしながら、周囲を見回した。笹の葉はやはりサラサラと風に吹かれ、その音は本当に心地よい。心癒された。

takebayashi001.jpg

 下を見ると、地面に露出した木の根に無数のアリが行列をなしていた。毛虫、蛇、名も知らぬ変な虫、それらの幾百、幾千の命が地面を這っていた。それらの無数の命を踏み潰し、喰らって、道を進んでいるのかもしれない。しかし、山の中でたった一人になってみると、自分のなんと無力なことか。僕は多くの命を喰らって生きているが、この大自然はちっぽけな一人の人間など一飲みにしてしまうだろう。一歩一歩、体重を預けてもビクともしない逞しい山の地面を踏みしめて、大地を感じながら歩いた。僕は本当にちっぽけだ。

 あのすさまじい傾斜の道を下る。別の登山客が人ならざるもののような息遣いで登って来た。やはり、他の人もきついんだな、と僕は「自分だけじゃなかった」という安心感のようなものを得ていた。

hyoshiki002.jpg

 さきほどの標識から2kmほど戻り、この場所。右方向へ行けば、天拝山の展望台。しかし、展望台へはもう用はない。帰るだけだ。僕は武蔵寺への道を下った。下りはほとんど走った。なぜか走りたくなる、こんな下山方法は若いうちだけだ、と内心思いながら。天拝湖から1時間半の予定のところを、実際には45分で天拝公園に到着した。おそらく、こんなものなのだろう。休憩をほとんどとっていないから、その分早かったという訳だ。

 天ちゃんには申し訳なかったが、汗をすさまじくかいており、着替えたかったので、帰りに御前湯に寄った。体重を計測したら、72kgだった。昨夜、天ちゃんの体重を測った時(まず天ちゃんを抱いて体重計に乗り、その後僕だけで体重計に乗る。その差が天ちゃんの体重になるのだ。当たり前か)には、74.4kgあったから、僕の肉体から水分とほんの少しの体脂肪と筋肉が2.4kg失われてしまった。確かに汗が止まらなかったから、そのくらい減っていてもおかしくはないだろう。僕は別にダイエットなんてしていないから、体重が増えても、減っても関係ないけど・・・。

 軽い気持ちで、道をずんずん進んで行ったら、ある発見をした。この山の先には、また新たな山があった。牛頸山、黒金山、そして基山。それぞれ、また次の機会に登りに行きたい。天拝山経由で遊びが広がっていく。
 毎回登山はきつい思いをするけれど、また登りたいと思ってしまう。天拝山は山頂までしか知らなかったから、その先はないと思っていた。でも、今日は新しい発見ができた。その先へと、僕はまた進んでいきたい。

過去の記事
軽い気持ちで天拝山 前篇
散歩
天拝山~11月22日~
一人でお出かけ~二日市~
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