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まだかなあ、まだかなあ

 首を長くして何かを待った経験はおありだろうか?

 僕は今日、キリン、いや、絶滅した首長竜のように首を長くして、ある荷物が届くのを待っていた、ほとんど何もせず。気付くと白骨化するのではないかと思うほど。しかし、一向に配送業者はやって来ない。荷物の内容はアレだ、猫の「トイレ」だ。届いたら、特別胸躍り、発狂して死んでしまうほどの物ではない。ただ、荷物が届くとわかっているから、僕はそれを待っている。僕自身にでなく、家に荷物が届くので、僕は家から離れられない。その間、家の仕事をしていたら良い訳なのだが、荷物がいつ届くか知れないので、常に身構えて、業者の到来を逃しはしまいと、トイレにすら満足に行っていない有様なのだ。

 猫のトイレなどすでに家にあるのだが、1週間に1度はトイレを洗いたいので、洗っている間にうちの「天ちゃん」が我慢せずに済むように購入したのだった。繰り返し言うが、届いたからといって、僕としては狂死するような代物ではない。しかし、荷物が届く以上、それを待っていないといけないのだ。

 朝、9時前に起床した。夜勤の疲れはほとんど抜けていなかった。怠く、重い体を引きずるようにして、掃除機で家中ムラだらけに掃除をした。掃除が終わると、家のチャイムが鳴った。「来た!」と思ったら、防災設備の点検業者だった。部屋の中まで上がり込み、すべての部屋の煙探知機をチェックしていった。猫は構わず暴れまわっていたが、僕は寝起きで、顔がパンパンにむくんでいたし、妻は化粧中だったから、少し恥ずかしい気がした。

 午前11時前、再びチャイムが鳴った。某配送業者だった。それは猫のトイレでなく、妹からの荷物を持ってきた。事前に妹に言われていたので、この荷物も僕は待っていた。

「午後になるな」

 僕はそう思い、12時になるとチャーハンを作って食べ、業者の配送に備えた。

「おそらく14時頃になるだろう」

 その配送業者は大体いつも13時~15時の間に来ることが多い。どういう配送の仕方をしているか知らないが、規則的な何かがあるのだろう。きっとあるに違いない。あるはずだ。ということはやはり14時頃には来るだろう。必ず来る。そう見当をつけると、畳んだ毛布を枕にして、床に横になった。こちらの人の表現で言うと「長(なご)うなって」待つことにしたのだ。僕の枕にしていた毛布に「天」も乗っかって来て、眠りだした。二人で業者を待つことにした。大体、荷物は僕にではなく、「天」に送られてくるのだ。本当は「天」に受け取ってもらいたいくらいだ。僕は僕で、色々用事がある。たとえば、夕食の買い出しをしなければならない。そうだ、食材がないから、すでに夕食時を過ぎた今も、何もなく、このままでは、夕食はふりかけご飯のみになってしまうのだ。
 そういう訳で、結局、18時を大きく回った今も業者はやって来ない。さきほど、サービスセンターに問い合わせをしたら、電話口の女性が迷惑そうな態度で、「荷物は配達員が持ち出しております。今日届きます」の一点張りで、何を言っても聴いてもらえない。何が言いたいのかというと、僕は今日一日を棒に振って「猫のトイレ」が届くのを待っていたということなのだ。どこかに出かけたくても出かけられない、トイレに行きたくても行けない、ブログを更新したくても更新できない、その遣る瀬無い気持ちを吐き出したかっただけなのだ。電話窓口の女性はそんな僕の心など冷酷無比に打ち砕いてしまった。

 打ち砕かれた不安な気持ちで、刻々と近づく営業時間の終わりに向かって、僕は荷物を待ち続けている。空腹との戦いだ。フィリップ・K・ディックの小説を開いて読もうとしたが、「天」が本を読みたいのか、じゃれたいのか、僕の視線を阻んで、全く読むことができないため、読書は断念した。僕はおそらく一生フィリップ・K・ディックの『高い城の男』を読み終えることはできないだろう。

「長期戦になるな・・・」

 営業終了時間21時までを、うんざりした気分で過ごさねばならない。まだかなあ、まだかなあ・・・。僕は業者の荷物問い合わせシステムの「問い合わせ開始」ボタンを無限に押し続けながら、そのステータスを確認していた。
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No title

これのオチが気になる。

Re: No title

>k 様

コメントありがとうございます。
返信遅くなって申し訳ありません。

わたくしのブログは全くつまらない日常を平凡に綴ったものですので、オチと言えるほどの面白い事が書けません。よって、結果は省かせて頂いた次第です。

しかし、物語は終わっていません。
kさんの想像力により、この物語を面白いものへと完成させて下さい。すべては読んだ方の頭の中に。
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Author:たびびと
こんにちは、たびびとです。
ようこそ、ぼくのブログへ。

介護職員のバイトをしています。
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