Gジャン時代

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 大学時代からよく着たGジャン。その割には、Gジャンを着ている写真がこの一枚しかない。大学時代の写真は全くなく、これは4年前の写真だ。無職で、実家に引きこもり、毎日野良猫と会話をしていた頃だ。この時は体重が今より10kgも重く、着られる服がこのGジャンと、ダボダボのズボンしかなかった。今ではそのどちらも手許にはない。そう思うと「僕はこれ以上太ったら、もう着られる服がないのだ」と追いつめられた気持ちと、手放してからその思い入れの強さに気付いてしまった寂しさにやりきれない思いになる。

 今、ボブ・ディランが流れている。英語で何を言っているのかよくわからない。ただ、僕は切ない。今、ボブ・ディランは世界で一番切なく、僕の心に流れ込んでくる。それはGジャンの思い出を次々に想起させる。そのメロディラインに乗っけて、思い出のダイジェスト映像を勝手に作り出して、感傷に浸っている。僕はバカだったなあ。

 大学入学前に大金叩いて購入したリーバイス。復刻版の507XX。大学時代は毎日のように着ていた。Gジャンにリュックサック。それが僕のユニホームだった。原付バイクに跨り、大学へと続く急勾配の農道をフルスロットルで上って行った。風を切るGジャン。教室を覗き込み、席が混み合っているという理由で帰って来た時も多分着ていただろう。学校をサボって、ゲームセンターのタバコの煙を吸い続けても、音を上げることもなかった。年に1または2回ほど洗濯をした。長年着続けることで、次第に色落ちし、味が出てくるのを楽しむ予定だった。それが、いつしか当たり障りのない服装に変わり、Gジャンの出番はほとんどなくなっていった。僕はつまらない人間になってしまったのかもしれない。独自の哲学を展開する若者だったが、それがいつしか社会に毒されて、本当にありきたりな考え方をする人間になってしまっていた。Gジャンとの別れは、自分の辿って来た道を省みさせ、それと同時に一つの時代、「Gジャン時代」が終わったことを告げた。
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