アメリカの代表者

 あまり眠れなかった。寒さのせいだろう。洗濯をして、いつものコインランドリーに出かけた。雨が降っていた訳ではなかったけれど、干しても乾かないような気がしたから。

 乾燥機で洗濯物が回っている間、僕は読書をしていた。再読させる小説は凄い、などと思いながら。
 店内ではマライア・キャリーが流れていた(洋楽には詳しくないが、おそらくマライアだろう)。小説の内容は消え、僕はマライア・キャリーを思い浮かべた。子供の頃、テレビでマライア・キャリーを観たことがあった。僕は彼女の胸の谷間が気になって仕方なかったのを覚えている。それ以来、外人(アメリカ人)はみんな金髪で、美しく、胸が大きいというイメージがつきまとった。アメリカ人についてのイメージは成長するにつれて付加されていく。身長が日本人の2倍ほどあるとか、ビッグマックを一口で食べてしまうとか(これは友人から聞いた話だ)、鍛えてないのに自然と筋肉質になるとか。イメージが巨大化した。

 家に帰ると、マライアの胸の谷間についての考察をしながら、夕食に食べるつもりの大根と鶏肉の煮物を作った。シューと継続して音を立てる圧力鍋の存在を忘れないためにタイマーを設定し、昨日借りてきた『ゴッドファーザーpart3』を観始めた。『ゴッドファーザー』シリーズの上映時間は、大学の2時限続きの講義並みだ。だが「これから3時間、〇〇の講義をします」とある先生が発した言葉のような絶望感は伴わない。むしろ、映画というのは自分が好きで観ているものだから、その3時間というのは幸せだ。飽きたらやめても許される。まあ、大学の講義もつまらなければ、出席だけとって退室することもできたが。

 映画を観終わったのは13時頃だった。睡眠が足りなかったせいか、酷く眠くなった。昨日も夜勤で寝ていないし、ここのところ睡眠不足が続いている。
 昼寝をすることにした。コタツに横になって、浅く不健康な睡眠に入った。夢を見た。仕事をしている夢だ。何度仕事の夢を見たか知れない。僕の職場、介護施設で働いていると、入居者が呼ぶのだ。部屋の中から鈴を無限にならして。けれど、僕は酷く面倒になって、鈴の音を無視することにした。すると、自分の耳を疑うような、今まで聴いたこともない奇妙なうめき声がするのだ。身震いするほど不気味に思え、気のせいかもしれないと思って、耳を澄ますと、さらにはっきりと聴こえてくる。僕は恐ろしくなって、目を覚ました。もう明日仕事に行きたくない、と不貞腐れた気持ちになった。

 仕事は生活するために必要だが、夢にまで出てきてほしくない。夢の中でさえ労働を強いるというのか。夢なら、好きなことをさせてくれ。たとえば、マライア・キャリーの胸の谷間を至近距離から、心ゆくまで眺めていいとか。洋楽のことは詳しくないのだ。
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