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こんなこと言ってはいけないのかもしれない

 夜勤明け。僕の勤めているとある認知症の老人介護施設では、夜勤は一人だけでの勤務だ。朝、早番のスタッフが出勤するまで一人で入居者たちの世話をしなければならない。これは厳しい。たとえば、二人同時に足元の覚束ない老人がトイレに起きてきたとする。この場合、より転倒の危険のある入居者に付き添ったとすると、もう一人の入居者のことは物理的に助けられないため、もう転倒しないように神に祈るしかない。転倒しなかったら、僕はこう思う。

「神の贈り物だ、みんなで感謝の祈りを捧げよう・・・」

 今まで夜間の転倒に出くわしていないのは運がいいだけの話で、今後間違いなく誰かは転倒するだろう。上の人は「くれぐれも転倒のないように・・・」とは言うものの、そんなの無理だ。天心飯だったら、たった一人の勤務でも転倒させることなく、業務を遂行するだろう。しかし、結局身体は一つだ。1対複数人だ。複数いる老人たち相手に、絶対に転倒させずに朝を迎えることなどできるはずがない。転倒させないように緊張して、勤務することはできるけれど。

 運営する会社は、夜間のリスクを入居者の家族に説明しているだろうか。

「えー、夜間はスタッフが一人ですのでえ、もし〇〇様がトイレに起きられた際に対応できなかった場合はぁ、転倒されるケースもありますよ。転倒された場合、骨折など重傷を負うこともあり、それがあ、寝たきりに繋がってくるわけです。えー、ですからあ、そんなリスクも負った上で、わたくしどものお、施設にぃ、入居することをぉ、希望されるというふうに言う訳ですね?」

 そんなことを説明するはずはない。夜勤者が一人だから、対応に限界がある。なんて言ったら、誰も入居してくれないだろう。営業は都合のいいことしか口にしないのだ。しかし、僕の働く施設では、限界がある。これは僕が働く施設だけに言えることではない。すべての介護施設は限界を抱えているはずだ。考えてみればわかる。勤務するスタッフの人数より、入居者の人数の方が圧倒的に多いからだ。すべての老人がいっせいに立ち上がり、歩行を始めたとしたら、スタッフが総がかりでも、対応することは不可能だ。

 えーと、自分の親を施設に入れることを考えている人は、そういうことも暗黙的に承諾する必要がある。自分の親を介護する場合を考えれば、施設に入ってもらった方が楽だろう。介護疲れ、と言うけれど、本当に疲れると思う。仕事でさえ、きついのだから。

 介護を必要とする家族にとって、施設はありがたいところだ。けれど、入居させられる本人にとっては、地獄のようなところかもしれない。本当は自分の家で、なんの気兼ねもなしに、暮らしたいと思っているのに、知らない人々に囲まれて、死ぬまで暮らしていかなければならないのだ。認知症の介護施設は、本人のためではなく、家族のためのもの。もっとハッキリ言うと、介護をビジネスにした経営者のためのもの。

「帰りたい」「疲れた」「私なんて死んだ方がいいんだ」

 どんなに綺麗ごとで飾り立てたとしても、入居させられる本人は、納得していないことの方が多い。介護する側は、こんなにしてあげた、と自己満足で評価することはできても、入居者側にしてみたら、ただ僕たちが都合のいいように動いているようにしか映らないだろう。それでも、笑顔で接してくれる入居者さんたちに僕は感謝する。
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介護職員のバイトをしています。
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