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都会的な問題

―あちこち旅をしてまわっても自分自身から逃げることはできない
                      (アーネスト・ヘミングウェイ)―




「お嫁さんが可愛かったよ」結婚式の感想を簡潔に述べた。

「じゃあ、告ればよかったじゃん」友人がそう言った。

「そうだなあ。告白すればよかったよ」僕は言った。

 そんな冗談を交えながら、僕らはゲームをしていた。先日の会社見学に誘ってくれた友人の家で。彼は結婚式とはまるで無関係な人間だったが、僕を家に泊めてくれた親切な友人だった。せっかく東京に出て行くのだから、会っておきたかった。普段はSkypeでよく会話をする友人で、彼はよく株式投資の話を持ち掛けてくる。

「株をやったらいい」

「生活が大変なんだよ」

「株で儲けたら、生活に余裕ができるし、家も買えるよ」

 こんな調子で彼はいつも何とかして僕をハメようと試みており、僕がホームレスになるのを楽しみにしているのだった。

 お邪魔した僕に、彼はバウムクーヘンという都会的なお菓子とコーヒーをご馳走してくれた。地方にはない味のような気もするし、あると言えばあるような気もした。いずれにしても、おいしい味だった。バウムクーヘンというお菓子はおいしい。先日の銀座での食事から、ご馳走になってばかりだった。僕も何かご馳走しなければならなかったが、自分のミスでお土産を買えなかったので申し訳なかった。

 大学時代、僕らは毎日ゲームばかりして過ごしていた。だから、久しぶりまたゲームをしようということになった。懐かしいゲームをしながら、昔話をしたり、近況を報告し合ったりした。

 「スメハラ」の話になった。スメハラとは「スメルハラスメント」の略で、つまり臭いによるハラスメントのことである。セクハラやパワハラはやっている本人に積極性が認められるため、咎める方法はあるかもしれないが、スメハラというのは本人が気づいていない場合が多く、「体臭」や「口臭」を指摘するのは極めてデリケートな問題であるため、解決が難しいという話になった。間違ったことを正そうとする心優しい真面目な人間であっても、気付かなければ直しようがないのだ。この極めて難しい問題に友人は職場で悩まされているのだった。「言いにくいよなあ」と友人は語った。
 僕自身、妻に臭いを指摘されることが多く(特に夜勤明けなどの非常に疲労困憊な時には)、傷つき打ちのめされながらも、やはり自分でも気をつけようとは思っている(気をつけてもやはり臭いようだが)。「おめえ、くっせぇえなあ」と言われたら、悪いと思いながらも、傷つくものなのだ。
 発生源である本人が悪いことをしている訳ではないから、「くっせぇーーーー!!!」などと指摘しようものなら、相手のナイーブな人間性を十分に傷つけてしまうだろう。指摘してくれる人がいない上に、自分でも気づきにくいことだから、これは本当に厄介な問題である。

 大学時代、こういうことがあった。体育館にトレーニング施設があったのだが、僕はそこを時折利用していた。ある日、トレーニングをしようと友人と約束して、一足先に体育館へと入って行った。体育館に入ると、いきなり空気が一変したのだった。体育館内の空気が非常に重く、臭かった。体育館の端から端まで歩いてみたが、その臭いはどこまでも着いて来た。「どこまで行っても自分自身からは逃れられない」というような言葉を思い出し、「そうか、これは自分なのか」と諦めて、トレーニング室に入った。汗臭いのは僕だった。僕はずっと汗臭く、その臭いはいつまでも鼻に付いた。たまらなく臭かった。これほどまで臭うのであれば、誰かに指摘されずとも自分で気付くことは可能だった。僕はとても帰りたくなった。トレーニング室で他に一人トレーニングしている人がいたから、彼にも迷惑だろうと思った。その人は忍耐がすさまじいらしく、僕の汗臭さなどに脇目も振らず、延々とベンチプレスをこなしているのだった。
 帰りたかったが友人と約束していたから、先に帰る訳にはいかなかった。勝手に帰ってしまったら、(株式)友人の気分を害してしまうだろう。どちらにしてもこの汗臭さでは、会っただけで気分を害してしまうだろうけど。そこで、友人が来たら、事情を説明して、先に帰ろうと考えた。
 大学の講義が終わり、友人が「今から体育館に行く」と連絡してきた。僕は体育館の玄関まで友人を迎えに行った。相変わらずの汗臭さに自分自身を悩ませながら。
 体育館に入って来た友人は一瞬で表情が変わった。「なんか汗臭いだろう?俺かなあ」と聞いてみた。すると「ああ、臭いな。でも、君ではないな」と返って来た。客観的な意見というのは大事である。僕は少し救われた気がしたが、友人は気を遣って言ってくれているのかもしれなかった。先に断っておくが、友人は他人を簡単に傷つけるような無神経な人間ではない。
 それでも友人は筋トレをしたかったらしく、一緒に2階のトレーニング施設に上がって行った。ベンチプレスをしていた人の近くを通った瞬間に友人は思わず、「くっせぇーーーーー!!!」と叫んだ。前にも断っておいた通り、友人は他人を簡単に傷つけるような無神経な人間ではなかったので、僕もその絶叫には驚いた。その尋常ではない臭いに思わず反射的に叫んでしまったのだろう。叫んだ後に自分でもびっくりしているようだった。確かに尋常なニオイではなかった。体育館という非常に広い建物全体に判定を有する、重量感のあるニオイなのだった。他人のコンディションを6割ほど低下される力を持っているかもしれなかった。残りの4割の力も次第次第に削られていく中で、トレーニングをするのは困難だった。
 あの時以来、そこまで強いニオイを僕は経験していない。

 不快なニオイというのは、至って健康的な人間であっても、その判定にさらされると、コンディションが低下してしまう。友人は毎日そんなニオイと戦っているのであった。発生源となる人がそれに気づき、改善してくれたらいいのだが、前にも述べた通り、自分のニオイには気付きにくい。指摘するにも、相手に対して「臭い」などという事はできない。これは現代における至ってデリケートで、非常に都会的な問題だった。

 我々はそんな都会的な問題から、「女性をデートに誘う方法」等の話、相変わらずの株式投資の話、騒音や環境の問題、外交問題等に触れつつ、ゲームを続けたのだった。

 この友人との話は午前3時を回っても、尽きることはなかった。何しろ、久しぶりに会ったのだから、解決させないといけない話が無限に溜まっていた。何か一つでも解決しなければならなかった。夜を徹して行われた談話により、解決した問題は結局一つとしてなかった。友人はゲームをすることで疲労を回復し、僕は連日の睡眠不足で、「地球防衛軍4」をプレイした記憶がとてもあいまいだった。そして、ずっと座りっぱなしでゲームをしていたので、左足が痺れており、一日休んだ今もその痺れは解消されていない。飛行機に乗る前にエコノミークラス症候群になってしまったのかもしれなかった。

 振り返ってみると、この旅とは一体なんだったのか、未だに整理できていない。今後、少しずつ整理してこの旅行の記録を書いていこうと思う。今回はこれで終わる。

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友人の結婚式

 さて、何から話したらいいのか。とにかく、僕は疲れている。先ほどまで休んでいたのだが、それでもなお疲労が抜けきらずにいる。当たり前だ。昨日から寝ていなかったのだから。

 昨日(5日)の友人の結婚式も無事終わり、福岡の自宅に戻って来た。簡単に言ってしまえばこんな感じなのだが、この行程がややハードなスケジュールだった。すでに書いたように、一昨日(4日)銀座で一味違う時間を過ごした後に、ホテルに帰った訳だが、その後、ブログを書いていたら日付が変わり午前2時を過ぎてしまった。寝ようとしても、自分のベッドではない上に、スケジュールのことを考えてしまい、落ち着かず、なかなか寝付けなかった。やむを得ず、心と体の調子を整える、ちょっと眠くなる薬を服用し、目を閉じた。
 ホテルのチェックアウトは10時だから、8時半には起きて、準備をしたかった。アラームを設定して寝たのだが、目が覚めたのは7時過ぎだったため、精神的にも睡眠不足になってしまった。仕方なく、シャワーを浴びて、髭を剃った。髭剃りをしたら、カミソリ負けをして、肌がすさまじく赤くなった。ヒリヒリとした肌で、一人呻いていたら、もう9時45分になっていた。慌てて、スーツに着替え、荷物をまとめた。

 チェックアウトを済ませた。そのホテルは挙式の会場となっていたため、荷物をクロークに預けた。式の時間まで2時間余りあったため、外に出ることにした。喫茶店で2時間座るのもどうかと思ったので、東京タワーに行くことにした。展望台に上るかどうかは混み具合を確認してから決めることにした。朝10時、天候は雨ということもあり、人が少なかった。並ぶことなく、展望台に上ることができた。僕はここで一つ達成したのだという充実感を味わっていた。なぜなら、一人で店に入ったり、こうした施設内に入ったりしたことが極端に少ないからだ。
 東京タワーを後にし、次は一人でスタバに入った。僕は東京という街では一人だった。たった一人で何もかもしなければならなかった。一人で行動することは、一人で道を拓く力を養ういい機会なのだった。

 結婚式の集合時間は12時10分と聞いていたので、その時間に会場入りした。しかし、僕の知っている友人が一人もいなかった。会場を間違えてしまったのか不安になり、帰ろうとさえ思ったが、どうやら間違えてはいないらしかった。椅子に腰かけてしばし待っていると、従業員に声を掛けられ、別の階へと案内された。エレベーターで別の階へ行くと、開始時間の13時にもなっていないのに、いきなり、挙式が始まった。これは一体どういうことだろう?式に出席予定の友人たちは現れないままだった。写真撮影をしながら、もやもやしながら例の儀式を見守った。その時点で受付を済ませていなかったし、祝儀は持ったままだったので、これでいいのだろうか、と内心かなり不安でいっぱいだったのだ。
 挙式後、披露宴が行われるということで、最初に待っていたフロアに戻り、やっと受付で祝儀を渡すことができた。これで一安心した。知っている友人たちもようやく現れた。一人は遅刻していた。というより、僕でさえ間に合っていたのかどうかすら疑問だった。一体、この結婚式はいつが始まりで、いつが終わりなのかさっぱり掴めないのだ。それが結婚式というものなのだろうか?一応、挙式、披露宴と出席はした。他の友人は披露宴と二次会に出席していた。もはやどのタイミングで来てもよかったような気がする。
 披露宴に遅刻してきた友人は、友人代表のあいさつをする役目だったが、原稿など一切用意して来なかった。思い切りその場で考えながら、あいさつをしているにも関わらず、立派なスピーチとなっていたことに僕は関心した。それと同時にやはり自分はそういうことができない人間なのだと情けない気持ちにもなった。実に素晴らしいスピーチだった。そして、和やかな雰囲気に包まれた実にいい結婚式だったと思う。お嫁さんは笑顔が素敵で可愛らしい方だった。新郎である友人は幸せそうだった。ああ、よかったと思いつつ、僕は披露宴が完全に終了する前に荷物を持って、会場を後にしようとしていた。出席していた友人に「じゃあ、○○(新郎)によろしく」と言って、披露宴会場を出ると、そこには新郎新婦とそのご両親が整列して待っていた。僕は挙動不審になりながらも、あいさつをして、その場を去った。

 クロークで荷物を受け取ると、速足で駅に向かった。5日の宿泊場所へと僕は急いでいたのだった。

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こんにちは、たびびとです。
ようこそ、ぼくのブログへ。

介護職員のバイトをしています。
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